あなたは毎年歯科検診を受診していますか?
厚生労働省の調査「令和4年歯科疾患実態調査」によると、1年以内に歯科検診を受診した人の割合は58.0%で、6割近い人が歯科検診を利用していることがわかりました。
8020(ハチマルニーマル)運動をご存知でしょうか。これは80歳で20本以上の歯を残そうという、歯科医師会が立ち上げた運動です。この8020運動が始まった(1989年頃)頃の日本人の歯科検診受診率はわずか6%程度、当時の70歳の平均残存歯数は8本だったと言います。それが現在(令和4年の調査結果)では6割近くになり、8020達成者はは51.6%になりました。
歳をとっても歯を健康に保つために、定期的に歯科健診を受診することがいかに大切かがわかります。
ここでは、そんな歯科検診について、詳しくご説明します。
歯科検診とはお口の健康を守るために、またご自身の歯を末長く健康に使用していただくために、歯医者で口腔内のチェックとプロのメインテナンス、日頃の歯磨きなどについてアドバイスをすることです。
歯医者へ行くきっかけは、お口の中に違和感を覚えたり、痛みを感じたりしてからという方が少なくありません。しかしながら、歯は何か症状がでてからでは、元に戻ることのない歯を削らなければいけなかったり、すでに重症化している場合があります。歯科検診を受診することで、早期に虫歯等を発見することができれば、お口の健康につながるだけではなく、軽微な治療で済むことで通院や治療費用の負担も軽減することができます。
治療後に定期検診の受診を案内されると思いますが、もう治ったのに何で行かないといけないの?と思う方もいらっしゃると思いますが、お口の健康を守るためには歯科検診に定期的に通うことは大切になります。
虫歯や歯周病治療の経過チェックや詰め物・被せ物・入れ歯など治療後の維持管理を行っていきます。治療前と治療後の経過観察を行うことは、治療後の歯をより長持ちさせるために、また予後が芳しくない場合には別の治療方法を模索する必要があるため非常に大切になります。
レントゲンや口腔内スキャナーといった精密機器の使用と歯科医師が目視で虫歯の有無をチェックします。初期の虫歯であれば修復することが可能ですが、自覚症状がなく、見た目もほぼ変わりがないためご自身で見つけることが困難です。
また、虫歯は見える場所だけではなく、歯と歯の間や、詰め物・被せ物の下など見えない場所にできる可能性がありますので、初期で虫歯を見つけるには歯科検診でチェックをすることが大切になります。
歯垢や歯石の量、歯茎の色や炎症・出血、歯周ポケットの状態、歯茎のぐらつきをチェックします。
歯茎をチクチクと触られて数字を言っているのを聞いたことがある方がいると思いますが、これは歯周ポケットと言って歯と歯茎の間の溝の深さをチェックしています。この歯周ポケットは歯垢が溜まると細菌によって歯茎に炎症を起こし溝が深くなり歯周病となっていき、最終的には歯を支えている骨を溶かし抜歯に至るケースとなります。
虫歯と同様に歯周病も初期段階では自覚症状がないため歯科検診でのチェックが大切になります。
歯磨きやフロスによるセルフメインテナンスだけでは歯垢をすべて取り除くことは難しいです。その取り残しをプロケアによって除去していきます。
定期検診は3ヶ月前後で案内されるかと思います。一度プロケアで綺麗にしたとしても、歯周ポケットの歯周病菌はおよそ3ヶ月前後で元の量に戻ると言われているためです。そのため3ヶ月に一度はお口の中をプロケアによってケアする必要がありまます。
しっかりとセルフケアで歯垢が取り除けているかをチェックします。歯に赤い液をつけて磨き残しのチェックをしたことがある方が多いかと思います。歯垢が残っていると赤くなりますので、普段から磨けていない部分がひと目でわかります。
磨き残しや普段の歯磨きの方法をチェックして、正しい歯磨きの方法や、磨き残しの多い部分の磨き方などを改善・指導します。
虫歯や歯周病についてだけではなく、顎の痛みや歯がしみる、見た目が気になるなどお口のお悩みがあればどんなことでもお気軽にご相談ください。
お口のことで気になることを相談できる、お口の健康を任せたいと信頼できる歯科医院があることも定期的に検診に通い、お口の健康を末長く守っていくには大切かもしれません。
定期検診は、2020年から保険で予防できる範囲が広がったため、保険で受診できます。定期検診の場合は2,500〜4,500円程度になります。
初診の場合、保険制度は基本的には治療に対して適用されるため、「気になる歯がある」などの主訴がなければ、保険で受診することができません。自由診療で受診する場合には各歯科医院によって、また各検査・処置内容で費用が異なりますので、担当の歯科医師やスタッフにご相談、もしくはHPなどでご確認しましょう。
近年、保険制度の改定で治療だけではなく、一部お口の「予防」についても保険の適用範囲が広がりました。歯科検診の保険制度が拡大し、費用面でも歯科検診に通院しやすい制度へと国の制度が進んでいます。
歯医者に来院して検診を行うのと、学校などで1年に1〜複数回行う歯科健診は内容や目的が違ってきます。学校での健診はお口の健康のためだけではなく、自分自身の健康状態を把握し、積極的に健康問題を対処しようという意欲を高めることを目的にしています。
学校健診では「健康」「要観察」「要医療」にふるい分けを行い、確定的な診断を行うものではありません。たくさんの人数を限られた時間の中で目で診てわかる範囲でふるい分けを行い、歯医者への受診を勧めたり、指導を行い、結果を通知します。
歯医者のようにレントゲンやCT、近年では口腔内スキャナーなどといった見えない虫歯などを見つける精密な機器を使用する訳ではありませんし、歯石取りなどプロのクリーニングで虫歯・歯周病予防を行うわけではありませんので、お口の健康を守るためには歯医者での検診で、要治療の早期発見や予防を行うことがお口の健康にとって大切になります。
2022年6月7日に閣議決定された「骨太の方針2022」において、「生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)の具体的な検討」について明記されました。ニュース等でも取り上げられ話題になりました。
最近の研究では様々な全身疾患と歯周病との関係や、女性ホルモンと歯周病に関係があることがわかってきています。つまりは歯やお口の健康を守ることで全身疾患の誘発を防ぐこと、先々の医療負担を軽減することなどが期待できます。それを国策として打ち出すことで、歯の定期検診の意識が低いという結果が出ている日本国民の意識に変化をもたらし、健康寿命の延伸や末長くおいしいご飯食べれること、しっかりと話ができること、笑うことができることで生活の質を向上を目指しています。
実際にはまだ制度の運用が開始はされていませんが、お口の健康は国も大切と考えているので、歯科検診でお口の健康を守ることはとても大切であると言えるかと思います。歯医者へ痛くなってから通われているかたがいらっしゃいましたら、一度歯医者に足を運んでいただき、ご自身のお口の健康の状態を把握してみてはいかがでしょうか。
全身の健康と口腔の健康に関する科学的根拠の集積と国民への適切な情報提供、障害を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)の具体的な検討
現在は1歳半と3歳の幼児と高校3年生までの全学年歯科健診が義務化されていますが、成人後の学生や社会人には義務はありません。
健康診断は企業に義務化をしていますので、国民皆歯科検診では健康診断同様に歯科健診の義務化が盛り込まれる可能性もあります。
すでに歯科健診を行っていただいている企業もございますが、未導入の場合は今後の動向を注視していただき、導入の想定もしていただくことが良いのかもしれません。
<当院でも企業検診を承っております。詳細についてはお電話にてお問合せください。>
学校検診などの集団検診で、「シーオー、マル…」など、聞こえてくる暗号のような用語が気になりませんか?ここでは用語ごとにどういう意味かをお教えします。
用語 | 意味 |
---|---|
CO (シーオー) |
虫歯になる手前の状態。 治療は必要ないが経過観察が必要です。 |
C (シー) |
虫歯。 治療が必要です。 |
○ (マル) |
処置歯。 虫歯や外傷などで過去に治療が施された歯。 |
△ (サンカク) |
喪失歯。 虫歯で失った永久歯。 |
☓ (バツ) |
要注意乳歯。 抜歯が必要かどうかの判断が必要な乳歯。 |
GO (ジーオー) |
歯肉炎。 歯周病の予備軍で、歯周病の進行が始まっている状態。 |
G (ジー) |
歯周炎。 歯周病が進行し、治療が必要な状態。 |
歯科検診はお口の健康を守るためには大切です。お話した通り、ご自身のセルフケアだけでは見えない場所、気づかない場所、届かない場所の悪い細菌を除去することができずに、虫歯や歯周病へとつながってしまいます。放っておくと進行してしまいますし、なかなかご自身では初期症状を見つけることは困難です。
プロケアで虫歯や歯周病になりにくいお口を保つことや、もし虫歯や歯周病になってしまっても早期に発見し治療することで、ご自身の歯を末長く使用できるようになりますので、定期的に歯医者で検診をしましょう。
「おいしい食事が取れること」・「円滑なコミュニケーションが取れること」・「笑顔が作れること」は、お口の健康は全身の健康と心の健康にもつながります。
曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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診療開始 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 |
診療終了 | 18:30 | 18:30 | 13:00 | 18:30 | 18:30 | 17:00 |
診療情報
休診日:日曜・祝日
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