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鏡の前でお口をイーッとしたとき、自分の歯の色が黄色っぽく見えてがっかりした経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
「昔から歯が黄色っぽかった」「歳を取るほど歯が黄色っぽくなってきた」「ある日突然黄ばんでいることに気がついた」等々、歯の黄ばみを感じたタイミングこそ違えど、黄ばんでしまった歯はコンプレックスとなり、人前で笑えなくなるなどその人の性格やキャラクターにまで影響を及ぼすこともあります。
実は歯の黄ばむ原因は一つではありません。大きく分けると、外因性と内因性にわかれ、その中でも「着色」「清掃不良」「歯質の問題」「加齢」の4つが代表的な原因となります。
歯の表面に着く汚れや色素が原因の黄ばみです。ステインとも呼ばれます。ステインはコーヒーやワインなどの飲み物、カレーやチョコレート・ベリーなどの食べ物等、色の濃い物を摂取することで付着します。また、タバコのヤニも黄ばみや着色の大きな原因となります。
しっかり歯が磨けていないと、歯の表面にプラーク(歯垢)が付きます。このプラークは最初白っぽく、徐々に黄みがかって2日ほどで歯石となります。プラークは虫歯や歯周病菌の塊で、歯石はその住処となります。虫歯は実は黄色い物もあり、歯周病になると黄色い歯石が歯を覆うため、歯が黄身がかります。
歯の一番外側は、エナメル質という固くて半透明の歯質で覆われています。その内側には象牙質と言って、薄い黄色や黄褐色の比較的柔らかい組織があります。もともと歯が黄色い人はこの象牙質の色が濃いかったり、エナメル質が薄く象牙質の色が透けて見えてしまうことが黄ばみの原因です。
歯も身体と同じで歳を取ると老いてきます。新陳代謝によって年々色味が強くなり、若い頃に比べ歯は黄色くなってきます。また、加齢と共に歯の外側の組織であるエナメル質が薄くなります。そのため、内側の黄色みが強い象牙質が透過しやすくなり、黄色味を帯びてくるきます。
歯の色や特徴は、肌や目・体毛と同じく人種によって異なります。日本人の歯は白人と比べると、エナメル質が薄く黄色みがかっている場合が多いです。もちろん個人差はあるため、日本人でも白い歯の人はいますが一般的にはシェードガイド(図)でいうとA3前後と言われており、対して白人はA2〜A1と言われています。
また、海外には日本の健康保険制度のようなものがない国も多く、虫歯や歯周病になると高額な医療費がかかることも多いため、予防歯科に通うということが習慣化されている国もたくさんあります。そのため、定期的に歯石や着色を落としている人も多く、外因性の黄ばみを落としている人が多いことも歯の色が白い理由の一つと考えられます。
着色や歯垢・歯石・虫歯による歯の黄ばみは歯科医院で落とすことができます。いくら磨いても取れない歯石も、歯のクリーニングで落としたり、取れない着色もエアフローという道具を使ってキレイに落とすことができます。
また、虫歯があっても削って歯の色を合わせた治療をすることで、天然の歯の色と同じ色味に回復することも可能です。ただし、樹脂による治療は着色しやすく、経年劣化して変色してしまうとなかなか色味は戻りません。これらのやり変えも必要に応じて歯医者さんにお願いしましょう。
ただし、歯のクリーニングでは、汚れや着色、歯垢や歯石は取れても元々の歯を白くすることはできません。元々の歯より白くするにはホワイトニングなどの別の施術が必要です。
もともとエナメル質が薄い場合や加齢による黄ばみは、歯のクリーニングでも白くはなりません。そのため、歯を白くするためにはホワイトニングなどの施術を検討する必要があります。
他にも、薄いセラミックのシェルを貼るラミネートベニアや、歯のマニキュアなどもありますが、ラミネートベニアは問題のない歯に貼ることはお勧めしないことが多いです。
また、歯のマニキュアは色ムラや着色、虫歯の原因になりやすいという観点から、当院では取り扱っておらず、患者様にも推奨はしていません。
歯医者によって考え方は異なると思いますが、内因性の黄ばみに対する対策は、当院ではホワイトニングが第一選択肢となると考えています。(ただしホワイトニングが有効でない方もおられます)
天然の歯を白くする効果的な方法は、歯のホワイトニングになります。最近では、歯科医院以外にもホワイトニングサロンや、セルフホワイトニングなどが多く出店していますが、これらは歯医者のホワイトニングとは別物で、重曹やポリリン酸を使うことで、歯を白くする効果を狙っており、概ね3〜5回程度行うことで効果が現れるという方が多いそうです。しかしこれらは医薬部外品や化粧品に属する製品による施術で、実際に歯を白くするというより着色・くすみなどが落とすことで歯本来の白さを取り戻す方法です。
歯医者で行うホワイトニングは、歯を白くするメカニズムを持った施術です。歯医者のホワイトニングには「過酸化水素(もしくは過酸化尿素)」が含まれており、漂白効果とマスキング効果を使って歯を白くします。この過酸化水素(尿素)を使ったホワイトニングは医薬品医療機器等法(旧薬事法)により歯科医院(歯科医師や歯科衛生士)でのみ取り扱いが可能です。この歯医者のホワイトニングは、学術的に歯の漂白効果が認められている施術です。
天然の歯を白くする方法は、今のところ効果においては歯医者のホワイトニングが突出しているものと考えられます。
では、一般的にドラッグストアなどで売られている「ホワイトニング効果」が表記されている歯磨き粉やデンタルグッズは効果はどうでしょうか。
おそらくですが、こちらもホワイトニングサロンやセルフホワイトニングと同じような効果が期待出来ると思います。歯の汚れを落とし、歯本来の白さを取り戻すためには効果的なものも多くあります。例えば歯医者のホワイトニングにあとに色戻り防止や着色除去の目的でも、ホワイトニング歯磨きを使用することで、白い歯の維持に繋がります。
ただし、注意していただきたいのは「研磨効果」のある歯磨き粉などです。研磨効果は、確かに汚れを落とすのに充分な働きがありますが、歯質を削ってしまうというデメリットもあります。繰り返し使っていると、歯の表面の歯質が薄くなり、象牙質が透けることでかえって黄ばみが強くなることがあります。
クリーニングやホワイトニングをして白くなった歯を維持するには、着色させないことが重要となります。コーヒーや紅茶、ワインなど色の濃いものの摂取頻度に気をつけたり、食事や飲み物接種後に歯磨きやうがいをすることで、ステインがつかないように注意しましょう。
また、歯医者のホワイトニングで白くした歯を、永続的に保つには、定期的にホームホワイトニングをすることが効果的です。ホームホワイトニングはトレーというマウスピースにホワイトニング剤を溜めて歯に染み渡らせることで歯を白くする方法ですが、少し後戻りした頃に再度ホームホワイトニングをすることで、比較的早く白さを取り戻すことができます。検診やメインテナンス時に、問題がなければホワイトニング剤を購入し、再ホワイトニングをすることで歯の白さを維持することができます。
ただし、虫歯や歯石、歯肉の炎症がある状態でホワイトニング剤を使うとしみや痛みを感じたり、白さにムラが出来る可能性もあるので、追加ホワイトニングは検診・メインテナンス時に歯科医師にチェックしてもらってから行いましょう。
ヤスリやメラミンスポンジなどで、歯の黄ばみや着色を落とそうという考えは逆効果です。エナメル質が薄くなることで中の黄色っぽい組織がより透過しやすくなったり、歯質が弱くなることで虫歯になりやすくなります。
「歯を白くする方法」でネットで検索すると出てくる「重曹」で歯を磨くことも危険を伴います。重曹は食品に含まれていますので、口に入れること自体には問題ありませんが、歯を研磨、すなわち削ることになるため、エナメル質が削れて歯の黄ばみや知覚過敏の原因になることがあります。
ご家族や知人がホームホワイトニングを使っているからと、それを借りて使用するのは危険です。歯医者のホワイトニングには過酸化水素や過酸化尿素が含まれており、歯を白くしますが、これらは虫歯があれば痛みやしみの原因になったり、歯石やプラークがあればムラの原因にもなります。海外サイトで買った過酸化水素(尿素)配合のホワイトニング剤も同じです。
酸は漂白効果があるため、こちらもネットでは「レモン磨き」「クエン酸」「酢磨き」など、いろんな情報が流れていますが鵜呑みにするのは危険です。酸で歯を磨くとお口の中が酸性になり、虫歯菌が活発になる環境になります。また、飲んでしまうと医薬品の効果を下げてしまったり、胃に負担がかかる場合もあります。正しい情報を見極める事が重要です。
歯医者は歯の治療をするところ、すなわち「痛い・怖い」場所と思われることも多いところです。しかし、歯医者には歯のクリーニングやホワイトニングのように、痛みを伴わずに歯をキレイにするための施術もあります。また、歯医者だから使える薬剤や道具で、歯の汚れや着色を落とし、歯を白くすることもできます。
歯の黄ばみで悩む方にとっては、手軽に買えるものや気軽にできるものを選えでしまうというのはよくわかります。
しかし、本当に効果が認められた方法で、歯の黄ばみを改善したいのであれば、まずは歯医者をご利用下さい。アップル歯科では、歯の黄ばみのご相談も承っております。気軽にご相談下さい。
この記事の編集・責任者は歯科医師の西森智です。
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