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親知らず抜歯というと、抜歯の痛みや腫れにばかり意識がいきがちですが、実は皆さん大切なことをお忘れがちです。例えば食事です。
親知らずを抜いたあとは、大なり小なり傷ができます。歯を抜いたということは、その傷は顎の骨にまで達しています。万が一その傷にバイキンが入ってしまうと、そこから感染し、腫れや炎症、発熱などの症状を伴うこともあります。
そのため、親知らず抜歯後しばらくは食事に気をつける必要があります。抜歯からしばらくは、できるだけ柔らかいものを食べて、辛いものや強い香辛料は避けるようにしましょう。
抜歯当日はおかゆや雑炊、ゼリーやヨーグルトなど、流動食にとどめておきましょう。翌日以降は、固くないもの(うどんやお蕎麦などの麺類・雑炊等)を抜歯した歯の反対側で咀嚼して食べます。肉類などはハンバークなどの飲み込みやすいもの、お魚などであれば食べて頂いて構いませんが、もし腫れや痛みがある場合は、しばらく流動食で様子を見た方が良いでしょう。
抜歯の傷は、概ね1週間程度で治まります。食事も抜歯後3日程度経って目立った腫れや痛みがなければ、抜歯した歯の反対側の歯で、徐々に歯ごたえのあるものを食べても良いでしょう。
ただし、極端に辛いものや香辛料はしばらく控えた方が良いので、カレーやマーボー豆腐などの辛いものを避け、唐辛子や山椒などは使用は控えましょう。傷口に強い刺激を与えると、痛みや腫れの原因となります。
また、抜歯後縫合しない場合は、傷口に米粒や食べかすが入る場合があります。これらは細菌が繁殖する原因となりますので、食後に軽くブラッシングをして取り除きます。
ただし、抜歯当日から3日程度は、直接傷口にブラッシングすることはお薦めできません。傷口が広がったり、血餅という血の塊を取り除いてしまう可能性があるためです。そのため、抜歯当日から3日程度はつまりにくいものを食べて、概ね3日後以降から、腫れや痛みを見ながら、徐々に普通の食事に戻していきます。
抜歯後は、しばらくお酒は厳禁です。お酒を飲むことで血管が広がり、出血が止まりにくくなります。特に親知らずの抜歯はしっかり顎に支えられた歯を無理やり抜くことが多いため、出血しやすい施術となります。
血が止まらないということは、血が固まらないため、傷の治りが遅くなります。傷の治りが遅いということは、傷口が感染にさらされる期間が長くなってしまいます。
同じく血がとまならなくなる原因となるのが、お風呂や激しい運動です。血流がよくなると出血しやすくなるので、抜歯後2〜3日はお風呂はシャワー程度にして、激しい運動は控えるようにしてください。
また、タバコに含まれるニコチンは、毛細血管を収縮する働きがあります。これにより血液の供給を抑制され、傷口が治りが悪くなります。喫煙は、血餅という歯の傷を埋める仮蓋の形成を阻害し、ドライソケットという抜歯によって生じた穴が塞がらず細菌感染を起こしてしまう病気の原因になることがあります。
抜歯当日は、抜歯部位と反対側の顎で食事をすることで、傷口に汚れがつかないように気をつけます。歯磨きでも、直接ブラシを当てないようにしましょう。強い刺激を与えると、傷口が開いたりバイキンが入る恐れがあります。
2〜3日後からは、傷口に軽くブラシを当てる程度で汚れを落とします。抜歯窩(歯を抜いた傷跡)には血餅という血のフタができていますが、これを取らないように注意して磨きます。
この頃までは、うがいも血餅が落ちる原因となることがあります。うがいを何度もしないように注意して、あまりブクブクしないようにしますしょう。
1週間程度経って、目立った腫れや痛みがなければ、普通の磨き方に戻していただいて結構です。血餅も自然となくなり始めます。
抜歯後の食事は、食べかすなどが傷口に入らないようにすることがポイントです。食べかすは細菌が繁殖する原因となり、それが傷口に入ると炎症を起こしたり、別の病気を誘発することもあります。
ですから、右の歯を抜いたら左側の顎で、左の歯を抜いたら右の顎で咀嚼することを徹底しましょう。そのため、親知らずは複数の抜歯の行う場合でも、右顎・左顎に分けて抜歯をします。
また、抜歯当日は麻酔が完全に切れてから食事をしましょう。麻酔が効いた状態で食事を摂ると、感覚が戻っていないため誤って粘膜を噛んでしまったり、傷口を傷つけてしまうことがあります。
麻酔は通常2〜3時間は効いているため、最低でも3時間程度待って、お口の感覚が戻ってから食事を摂ることが大切です。
抜歯後血が止まらない場合は、ガーゼを傷口に当ててギューッと噛んで止血をします。目安としては30分間ガーゼを噛み続けます。噛むといっても、噛みしめる必要はありません。
ガーゼを傷口に押し当てる程度の力をかけて、血が止まるのを待ちましょう。もちろん出血がある時は飲食は控えましょう。
30分経っても血が止まらない場合は、抜歯をした歯科医に連絡して相談しましょう。
親知らずの抜歯は、基本的には1歯ずつ抜歯することが多いですが、患者さんから要望があったり、矯正治療などで抜歯が必要な場合などは、複数の歯を抜くこともあります。
ただし、食事が摂れなくなることを防ぐため、歯科医院で行う場合は右側・左側など片側2本ずつの抜歯となります。
4本一気に抜歯をすることもありますが、多くの場合大学病院等の入院設備のある口腔外科で、入院を伴う施術になります。この場合、全身麻酔による抜歯になることもあり、全身麻酔中には人工呼吸を行うなど、大きなリスクを伴います。
そのため、2本以上の抜歯をやむを得ず行う場合は、歯科医師と患者さんがしっかり相談して納得した上で行う必要があります。
また、下顎の親知らず抜歯等で、大きな血管や神経の近くに親知らずがある場合、緊急時や抜歯後の麻痺等の後遺症に備え、大学病院等での抜歯となることもあります。
親知らず抜歯後の痛みは、麻酔が切れた瞬間が最も強い痛みを感じることが多いです。そこからおよそ1日程度はジンジンとした痛みが続きます。そのため、抜歯後麻酔が切れて流動食を摂取したら、処方された痛み止めを服用しましょう。
抜歯後の痛み止めは、用法・容量を守ることが大切です。痛み止めと一緒に処方される化膿止めも、感染を防ぐためにしっかり飲み切って下さい。
痛みの大きさには個人差もありますが、翌日には血も固まり、痛みは徐々に落ち着いてきます。それでも1〜2ヶ月は弱い痛みを感じる場合もあります。通常は、抜歯翌日から2〜3日で痛みは徐々になくなっていきます。
その逆に腫れのピークは抜歯後2日目あたりと言われていて、少し遅れて現れます。こちらも個人差はありますが、上顎よりも下顎の抜歯の方が腫れが出やすいことが多いです。腫れが強い場合は患部を冷やしてあげることで治まりやすくなりますが、冷やしすぎないように注意が必要です。腫れは抜歯後2〜3日をピークに、7〜10日程度で治まります。
親知らずの抜歯は、人によってはメスを入れたり、歯を分割して抜歯を行うなど、侵襲(身体を傷つけること)の大きさが異なります。
そのため、抜歯術によって痛みや腫れは異なりますが、必ず抜歯後に歯科医師から注意点の説明があります。この注意点を守ることが、傷を早く治したり、炎症を起こさないようにするためにとても重要です。
歯科医師の話をしっかり聞いて、抜歯後の回復に役立てて下さい。また、禁止事項は必ず守るようにしましょう。
食事や日常生活においてわからないことや聞いておきたいことは、質問して頂いて結構です。できれば抜歯はしたくないかもしれませんが、親知らずは抜いたほうが良いことが多いのも事実です。歯科医師と患者さんが協力することが、抜歯のダメージを抑え、傷を早く治すことに繋がります。親知らずの抜歯を抜歯するかどうかでお悩みでしたら、お気軽にご相談下さい。
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この記事の編集・責任者は歯科医師の西森智です。
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